秋季東京都高校野球大会(東京都高校野球連盟主催)の決勝が7日、神宮球場であった。二松学舎大付が延長タイブレークの末、6―5で早稲田実をサヨナラで破り、21年ぶり3度目の優勝を飾った。二松学舎大付は来春の選抜大会の出場に大きく前進した。1点差で競り負けた早稲田実も夏春連続の甲子園出場へ望みをつなげた。
二松学舎大付は20日開幕の明治神宮大会に東京地区代表として出場する。
(7日、秋季東京都高校野球大会決勝 二松学舎大付6―5早稲田実 延長12回タイブレーク)
延長十二回裏、スクイズでサヨナラ勝ちが決まると、二松学舎大付のエース及川翔伍(2年)はベンチを飛び出した。勝利の校歌は涙を流しながら歌った。「やっと終わってくれた。心が折れそうになっていました」
我慢の投球が続いていた。2点を追う四回、河内紬(つなで)(2年)からマウンドを譲り受けた。だが、五回、七回にそれぞれ1失点し、厳しい展開に。七回に自ら適時二塁打を放ち、八回にようやく追いつくと、マウンド上で躍動し始めた。
八回以降、早稲田実打線を2安打無失点に抑えた。サヨナラ勝ちを大きく引き寄せたのは延長十二回表、無死満塁でのピッチングだ。内野ゴロで1死を取ると、次打者を三振に。最後は捕手のサインに首を振り、外角の直球で空振り三振を奪い、この試合最大のピンチを切り抜けた。「首を振ったのは打者のタイミングを外すため。全球直球と決めていた」
市原勝人監督は試合後、「今日は及川。前半はかわすピッチングをしていたが、終盤向かっていく姿勢を見せてくれた」とエースの気持ちが入った投球をたたえた。今夏の東東京大会準決勝で戦った関東第一は、甲子園で準優勝した。127球を投じた及川はホッとしたした表情を浮かべて言った。「甲子園に行きたい気持ちでやってきた。(選抜大会にもし選ばれれば)まずは1勝したい」(中村英一郎)
●早稲田実・和泉実監督「(タイブレークの攻防について)甲子園の経験は生きた。ただ、(夏の甲子園で)大社(島根)にも負けた。勝っていない。しのぐことはやれたけど、(点を)取ることができていない」